"ジメジメして温暖な気候になると、特に問題化し始める食中毒。しかし意外なことに食、中毒の原因が微生物ではなく毒素にあると把握している人は、実はそんなに多くない。
だから、不注意で温暖な場所に食べ物をうっかり置いてしまい、慌てて冷めたい場所に戻しても意味がないのである。
食中毒は大きく分けて、細菌、ウィルス、化学毒、自然毒の四つに分類される。この内、毒素が問題化するのは細菌などの微生物によるものである。
細菌などの微生物が毒素を出すのは、付着した食品を食べて毒素を排泄するという、生物にとっては当たり前の生理行為である。従って食中毒を防ぐには細菌などの微生物を食品に付着させないことが重要であり、一度付着を許してしまえば食中毒の発生を防ぐのは不可能と言っても良い。毒素を発生した後で、いくら殺菌や除菌を行っても、毒素そのものを消すことは出来ないからである。
「もったいない」と思ってしまう人が多いだろうが、毒素が回ってしまった食品は潔く捨てるのが、賢明というものである。"